年末調整で注意すべきポイントを以下にまとめます。これらを確認しておくと、誤りを防ぎ、スムーズに年末調整を進めることができます。
従業員からの必要書類(扶養控除等申告書、基礎控除申告書、配偶者控除申告書、保険料控除申告書など)は早めに提出してもらい、記載内容を確認します。提出漏れがあると控除が適用されないことがあるため、十分に注意が必要です。
生命保険料や地震保険料、住宅ローン控除などに関する証明書が正しく提出されているか確認します。証明書がない場合は控除が受けられなくなるため、従業員に再確認を依頼します。
扶養控除を適用するためには、扶養親族の年齢や収入状況など、細かな基準があります。扶養親族が増減した場合や、大学生の子供が就職した場合など、状況が変わっているか確認しましょう。また、16歳未満の扶養親族には控除が適用されない点にも注意が必要です。
配偶者控除および配偶者特別控除は、配偶者の所得に応じて適用が変わります。従業員が配偶者の収入を正確に把握しているか確認し、該当する控除額を適切に計算しましょう。
住宅ローン控除を初めて受ける場合は、確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で適用できます。適用条件(居住用であること、ローン残高が一定以上であることなど)に注意して、対象者が適正に申請しているか確認します。
生命保険料、地震保険料、介護医療保険料などには、それぞれ控除額の上限があります。控除額を算出する際に上限を超えていないか確認し、正確な金額で調整する必要があります。
中途入社や退職者については、前職の源泉徴収票がある場合に限り、年末調整が可能です。源泉徴収票の内容を確認して、前職分と合算した総所得で計算します。もし源泉徴収票がない場合は、年末調整は行わず、本人が確定申告を行うよう案内します。
年末調整が完了したら、従業員に源泉徴収票を発行し、控除額や納税額の内容を伝えます。また、翌年の扶養控除等申告書の提出も案内し、提出漏れがないように準備します。
年末調整で適用された控除が翌年の所得税や住民税に影響を与えるため、その内容を従業員に説明し、翌年の給与や手当への影響を伝えると、従業員も安心して調整を受けることができます。
これらのポイントを踏まえて年末調整を行うと、ミスが減り、従業員も安心して調整を受けることができます。