勤務している歯科医院から独立して開業をしようと考えたとき、又は親族の歯科医院を引き継ぐことになったとき、不安だけど誰に相談したらいいか分からない、どんなリスクがあるか分からない等々、なかなか足を踏み出せないことがあるかと思います。開業は適切な準備を行っていけばしっかりとしたスタートを切ることが出来ます。
まずは診療所を決めましょう。ご自身の土地建物で開業をする方は多くないと思います。多くの方がテナントを借りての開業になると思いますが、歯科医院に合ったテナントを探す必要があります。
物件をご自身で探すことになると思いますが、歯科医院を開業する際には不動産会社の他、ディーラーさんにご紹介いただくということもあります。
いきなり物件を見るのもいいかもしれませんが、まずは必要なスペースとして、診療スペース、待合室、スタッフルーム、院長室等、どこまで設置するかを決めてから探し始めましょう。
大まかな場所、例えば池袋駅から徒歩5分以内といった形で探していくことになりますが、歯科医院の場合はどこの通りで何階に入っているのかが重要になります。ディーラーさんのご紹介の場合には診療圏調査を受けることが出来たりもしますので、そういったものも活用していきましょう。
あとは大まかな広さを決めるだけですが、この広さが大事です。広い方が家賃が高くなってしまいますが、ギリギリの広さを借りてしまうとユニットの増設等も出来なくなってしまいます。歯科医院は内装工事に掛かる金額が大きいため、気軽に移転をすることが難しいので、将来的な計画を加味して広さを決める必要があります。
診療所と同時に考えていくことが内装と器械設備についてです。
マイクロスコープとCTとセレックと電子カルテと…患者様により良い治療を提供するために導入したい器械はたくさんあると思います。
設置する場所も大事なので、設備を考えたスペースが確保できる診療所を借りる必要があります。
資金の工面も必要になってきますので、どの器械設備を購入するか、最初は諦めるが軌道に乗ったら購入する等、事業計画を作成しながら選んでいく必要が出てきます。
診療所の契約金、内装設備、器械設備が決まって必要な経費の見積もりを立てていくと、開業に必要な資金が分かってきます。この資金を全て自己資金で賄うことは恐らく難しいと思います。そんな場合には銀行からの融資を受ける必要が出てきます。銀行によって条件が異なりますので、しっかりと検討しながら融資を受けるようにしましょう。
テナントの契約をして、内装工事をして、器械設備を導入して診療所としての設備はOKですが、他にも準備することがたくさんあります。
スタッフの確保です。採用面接をして採用し準備していくこととなりますが、ここ数年は人材難であり、適切な賃金や待遇があり、働きやすい診療所である必要があります。
開業してから後は治療に専念する…という訳にはいきません。開業してからが経営の始まりです。保険診療がメインの場合にはレセプト枚数や点数を気にしたり、自由診療がメインの場合にはマーケティングも必要になってきます。診療が増えてきたらスタッフの増員や更なる設備投資が必要になってきます。
事業計画で決めた目標年収や経費との差異を把握するためにも、しっかりとした経理を行う必要があります。正しく経理を行うことで、税金への対策もしっかりと出来るようになります。
医療法人成りの準備はこの開業の流れでも意識する必要があります。医療法人成りは『個人』から『法人』へと契約等も変える必要がありますので、この契約1つ1つについて、認可申請に適応出来るように準備することで、医療法人成りをスムーズに行うことができます。これを意識しなかったことによって、法人成りの際に大きな納税や思わぬ出費が発生したりすることがあります。
このページでご紹介した内容について、鳥羽税務会計事務所が全力でサポートいたします。開業をお考えの方、開業に向けて実際に動かれている方、既に既に開業されている方、是非一度ご相談ください。