中小企業と同族会社に関する法人税法の規定は、実務上注意しなければならない点が多くあります。この同族会社と医療法人の関係については間違えが起こりやすい部分になりますので、しっかりとした知識を元に判断をしていく必要があります。
同族会社とは、会社の株主等の3人以下並びにこれらと特殊の関係にある個人及び法人が次の場合におけるその会社をいいます。
①その会社の発行済株式等の50%超の株式等を有する場合
②その会社の議決権の50%超を有する場合
③その会社の社員の半数超を占める場合
※株主及び株式等は自己株式等を除きます。
簡単に言ってしまえば会社に関する意思決定を3家族以下で行える法人です。
家族経営の会社の大半はこの同族会社に該当します。
結論として、同族会社にはなりません。
同族会社の規定を見ると、③社員の半数超を占める場合とあるので、医療法人の社員の3人で半数超を占める場合には同族会社に該当しそうですが、ここで大事なワードが「会社」です。
会社とは、会社法を根拠とする法人のことであり、医療法を根拠とする医療保人はこの会社には該当しません。
医療会社じゃなくて医療法人だから!…と言ってしまうと言葉遊びのように感じてしまうかもしれませんが、医療法人と同族会社との関係としてはこの一言に尽きます。
同族会社に関する規定として、実務上注意すべき点は下記の2点が考えられます。
・使用人兼務役員
・同族会社の行為計算否認
使用人兼務役員になれないと思っていて同額の給与しか出せないと思っていた、行為計算否認が行われるため親族との関係会社との取引を行わないようにしていたなど、しっかりと理解をしないと税務上不利な取り扱いを自ら行ってしまうこととなります。
使用人兼務役員になれないと思っていて同額の給与しか出せないと思っていた、行為計算否認が行われるため親族との関係会社との取引を行わないようにしていたなど、しっかりと理解をしないと税務上不利な取り扱いを自ら行ってしまうこととなります。
もちろん行為計算否認については、何をやってもいいというわけではありません。あまりにも不自然な取引は税務上否認されますので、しっかりとしたスキームを組み、取引を行う必要があります。
また、気を付けるべき点としては医療法に関するもので、関係事業者との取引に関する報告を出さなければいけませんので、この点もしっかりと把握しておきましょう。
同じ税理士でも医療に関する知識には差があります。当然かもしれませんが、税理士は会計と税法が専門です。医療機関の顧問をしていない税理士にとって、医療機関の常識や医療法は馴染みがないものです。診療所開設時の借り入れの注意点、保険診療の入金、医療法人の持ち分などなど、知らずに処理をしてしまうと後々問題になるケースもあります。
鳥羽税務会計事務所は医療機関を専門としております。医科歯科問わず10年以上の経験を有しております。診療所を開設される方、医療に詳しい税理士をお探しの方、医療法人や診療所の承継をお考えの方、是非ご連絡ください。